経管栄養という言葉を知っていますか?
専門的には「人工栄養法」と言ったりします。口から十分に栄養が補給できない場合に、点滴をしたり、鼻からのチューブで栄養を補給したり、胃に穴を開けて栄養を補給したりします。
現在は知っている方が多くなってきているように思われます。
日本は高齢化が進み、自分の力で食事を取ることができない方が、推定で200万人以上ではないか?と言われています。
正確な人数は現在把握できていない状況の様子で、この数字が正しいのか保証はできない事をご了承下さい。
近い将来データが公表される事でしょう。
200万人と聞くとイメージしにくいのですが、東京ドームの観客席が55000席ですから、約36個分となります。
あくまで数字の上での話ですから、経管栄養が良くないとはまったく思いません。むしろ良い場合もあると思われます。
私の知り合いのオバアちゃんは、口から食べるのを忘れてしまってやせ細ってしまいました。そこで、その家族の息子が経管栄養を選択し、体重は戻りました。いまオバアちゃんはニコニコ暮らしています。口から食べるのは忘れたままですが、それはそれで幸せの形だと思います。
そして、もう1人。これも私の知り合いの妻ですが、経管栄養を選択して命はつないでいます。しかし、意識は無く体も硬直してしまい、もう10年もベッドの上で生活しています。
どちらも事実です。
今回は経管栄養の知識を知って色々と一緒にイメージして頂ければと思っています。
鼻から管を通す栄養
経鼻経管栄養(けいびけいかんえいよう)といいます。チューブの単位をフレンチと言います。1フレンチ約0.3mmです。平均して12から15フレンチの太さのチューブを使うのが一般的です。だいたい4~5mmでしょう。
鼻から通します。鼻や喉を通過する時に痛みが生じますので、塗り込み用の麻酔をチューブに塗って入れていきます。
想像して下さい。直径4~5mmの長い管が鼻から入って喉に到達し、そして更にそのチューブを飲み込まなければなりません。
終わった後はそのままテープで固定します。固定するのは食事ごとに外したり入れするのに負担が大きいからです。
しかし、これで栄養は確保されます。栄養が入らないと体は衰弱していきます。大きな病気をしなければ命はつないでいける確率があがります。栄養が十分に補給されて回復して御飯がたべられるかもしれません。逆に命はつなげたものの、そのまま寝たきりになるかもしれません。
繰り返しになりますが、物事には良い面とそうでない面があります。事実を知って、私だったらどう選択するかを考える事が大切だと思います。経管栄養が必要な場合は本人の意思を聞けない事が多いと思われます。ですので、家族のイメージ力がとても大事です。
経管栄養をした後はどうなりますか?
これは家族としては質問して頂きたいと思います。もし、命をつなぐだけの確率が高い場合に、私だったらどうしてほしいか?をイメージして下さい。目の前の大切な人の顔をしっかりと見て、その大切な人がどう思うのか。読み取ってあげて下さい。
胃や腸に穴を開ける栄養
胃に穴を開けて栄養を補給する方法を「胃ろう」と言います。胃ろうが何らかの原因で出来ない場合は腸に穴をあける場合もあります。
経鼻経管栄養が長期になる場合に選択される場合が多い様子です。鼻や喉に長期的にチューブがある状態では、その粘膜を痛めたり、感染の原因になりやすい為にそうされます。
身体的な苦痛も和らげます。
イメージして下さい。精神的な苦痛は和らぐのかを、そして、そのまま寝たきりにならないのかを。
未来の事ですから確定は出来ません予測です。だからこそお医者様の意見を聞いて、そして勇気をもって意見交換して下さいね。あなたは大切な方の命の代弁者なのです。納得いく選択をしてほしいと思います。
まとめ
今回は、経管栄養について考えてみました。とても難しい問題です。答えはでないでしょう。それぞれの価値観で判断するしかありません。
イメージ力をフルに使って大切な人の本当の希望を読み取ってあげましょう。間違った選択はありません。間違った選択だと思えば修正ができます。
こんな事聞いていいのかな?こんな提案していいのかな?
あなたの中に眠っている答えを積極的に出していきましょう。
イエスキリストはこう言っています。
「あなたの父母を楽しませ、あなたを産んだ母を喜ばせよ」
最後まで読んで下さりありがとうございます。